新刊オージー本!
オージーサンタからのプレゼント、ひさびさのカメ本紹介です!

曲頚類の本場オーストラリアの新刊本「A Guide to ... Australian Turtles in Captivity」です。著者はAdam Elliott氏です。
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オーストラリアのカメ専門の飼育本としては故Darren GreenのKeeping Long-necked TurtlesとKeeping Short-necked Turtlesの2冊以来です。
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前半は一般的な知識から飼育法全般をかなり細かに説明していますが、採集できる生き餌のところで紹介されている昆虫が当たり前ですが全部見慣れないオージー産昆虫だったり、ヤビーやらガラクシアスやらだったりするところが面白いです。他にも野外飼育のときに気をつけるべき害獣としてカラスとともにワライカワセミが紹介されてたり...。中盤はカメの病気と健康管理に関する記述があり、なかなかグロい写真もでています。

後半はお待ちかねの各種紹介です。撮り下ろし写真ばかりではないのが少々残念ですが、そこはオージーガメを広く紹介しています。
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John Cannの記載したマックォーリーの東側の亜種群やChelodina rankiniはここではそのまま紹介されています。特に目を引くのは、Saw-shelled turtle(ノコヘリカブトガメ)(Wollumbinia latisternum)のうち、分布域最南端のRichmond川の個体群をSouthern Saw-shelled turtle(W. dorsii)として紹介されていることです。
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Wells氏が2008年に出した論文を根拠としてるらしいですが、Wells氏と言えば上のC. rankiniはじめスッキリとは支持をされない種名を乱発気味の方なので、このW. dorsiiも今後広く認められて行くのは、クエスチョンマークです。ちなみに、全種紹介されているかと思えば、なぜかマニングリバーやガルフカブトは一切登場していません...。

各種について、形態的特徴、分布域などの野生の状況から、飼育しやすさ、繁殖、手に入りやすさ(!)に至るまでが紹介されています。面白いのは日本では飼育最難種として名高いオブ様ことコウホソナガクビが、飼育しやすい種として紹介されていること。他のほとんどの種も「easy to keep」とされていて、初心者にお勧めしないとされているのはハヤセガメだけでした。

同時に「A Guide to ...」シリーズでパイソンやらモニターやら他に9冊出ているようです。

おまけは、うちで一番クリスマスっぽいカラーリングのカメ、キンバリーアカミミマゲクビ(Emydura australis
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上の本の筆者も、ニシキマゲクビに負けないくらい美しい種と思っているようで、もっとたくさん出回るようになれば人気が出るだろうと書いています。全く同感です!

Merry Christmas for all turtles lovers!!

Show of the day:
Grateful Dead
10/09/89
Hampton Coliseum, Hampton, VA
by acanthochelys | 2012-12-23 23:06 | 曲頸類グッズ
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