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おともだちの写真
未曾有の大地震、それにつづく放射能漏れや、停電、物資不足など、東日本の大変な状況はまだ当分続きそうです。

被災された方々には本当に心からお見舞い申し上げます。

震災に伴って、いろんなことが自粛ムードでとりやめになっています。

しかし現実的理由でできない方々はさておき、被災していない人はこれまで通りに、いやこれまで以上に、働いて、遊んで、消費して、経済を動かして日本をささえるべきだと思っています。

最近お友達から頂いた写真を、紹介して行こうと思います。

まずは、クリーパー誌繁殖最前線でオブロンガ(Macrodiremys obloga)の繁殖記事が紹介され、一躍話題となったNさんから頂いた、オブちゃんたちの近況。
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Macrodiremys obloga (Chelodina oblonga) CAPTIVE BRED in Japan 2010!!!
クリーパーでは、2匹の色味が違って見えましたが、現在は似たような色になってきてますね。
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頸の太さがハンパないです。
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食欲も旺盛だそうで、順調に成長しているようですね。

今回のオブロンガ繁殖成功は、はっきり言って、世界的快挙です。あのビルマッコード博士もNさんとこのベビーの写真を見て「Nice job!」と言っていました。同居させるとメスがオスを殺してしまう、というのが最大の問題のようで、Nさんの勝因は相性のいいペアを使ったことと、もちろんそのためにメスがその気になるような環境を整えてあげたことでしょう。繊細だとか飼いにくいとかいろいろ言われている本種ですが、CBということで格段に飼い易くなったりするといいですねぇ。

次は、オブロンガつながりで、パースの町中の「カメに注意」の標識です。オーストラリアからいつも楽しい写真を送ってくれる松井淳さんからです。
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ちゃんと頸が長いオブロンガの絵になっているのがナイスですね。
産卵のためにオブロンガがこの道を渡るんでしょうね。ということは産まれたベビーたちは逆向きに渡って水場に帰るんでしょうね。いつの日か見てみたい光景です。
ちなみに松井さんのブログはこちらです:
http://munkarra.cocolog-nifty.com/

つづいて、うちに以前いたボツワナ産基亜種ヌマヨコクビ(Pelomedusa subrufa subrufa)の近況を、現在の飼い主であるりんごちゃんが送ってきてくれました。
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Pelomedusa subrufa subrufa from Botswana.
ブドゥというかっこいい名前をもらって可愛がってもらっているようです。頭のゴマ模様がシブいです。
ちなみに昔の写真はこちら:
http://chelidphil.exblog.jp/4867350/

Nさん、松井さん、りんごちゃん、写真どうもありがとうございました!

最後はうちのロンギ初子の様子でも:
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(後ろに誰か写り込んでますねww)
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Chelodina longicollis
甲ズレのひどい方が成長が良く、あまりズレてない方は食細くてなかなか成長しません。

まぁ、世の中そんなもんですよね。

5月恒例の九レプも、関東からの出店減少などが見込まれる中、決行するかどうかの決断を迫られています。ぼくは、多少無理してでもやってもらいたいと思っており、これまで以上に手伝えることは手伝いたいと考えております。皆様もぜひご協力下さい。当日たくさんの方に来て頂くのが最大の協力です。前夜イベントも昨年同様行おうと考えております。そちらもよろしくお願いします。

Show of the day:
Grateful Dead
06/28/76
Auditorium Theatre, Chicago, IL
by acanthochelys | 2011-03-24 08:09 | その他のナガクビ類 | Trackback | Comments(10)
Africans Revised
今日から3月、福岡は既に梅が満開です。

最近出たアフリカ曲頸類の包括的な分子系統解析の論文を発見しました。著者には業界の有名人の名がちらほら。

これまで形態から言われていた従来のグループ分けは
  adansoniiグループ(アダンソン、トゥルカナ、ガボン、マラン、ヒメ)
  subnigerグループ(上記以外)
とか
  ガボン単独
  クロ単独
  ノコヘリ単独
  ウスグロ単独
  それ以外全て
でした。

で、今回核とミトコンドリアの合計約4kbの塩基配列比較から描かれた系統図がこちらです。
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from
Fritz U, Branch WR, Hofmeyr MD, Maran J, Prokop H, Schleicher A, Siroky P, Stuckas H, Vargas-Ramirez M, Vences M, Hundsdorfer AK. Molecular phylogeny of African hinged and helmeted terrapins (Testudines: Pelomedusidae: Pelusios and Pelomedusa). Zoologica Scripta a 2010 The Norwegian Academy of Science and Letters, 40, 2, March 2011, pp115–125.

まず
 castaneus大グループ(一応記載の最も古い種名で呼んでいくことにします)
 marani大グループ(マランのみ)
 sinuatus大グループ(ノコヘリハコヨコのみ)
 subniger大グループ(ウスグロ、オカバンゴ、ウペンバ)
の4大グループに分けられます。

次にcastaneus大グループが
  castaneus中グループ(クリイロ、チャピニ、アダンソン、トゥルカナ、ヘンゲ、セウネ、キバラ、ガボン)
  nanus中グループ(ヒメのみ)
  niger中グループ(クロ + クプラタ)
の3つの中グループに分けられます。

さらにcastaneus中グループが
   castaneus小グループ(クリイロ、チャピニ、アダンソン、トゥルカナ)
   rhodesianus小グループ(ヘンゲ、セウネ、キバラ)
   gabonensis小グループ(ガボンのみ)
の3つの小グループに分けられます。

さらにさらにcastaneus小グループ(クリイロ、チャピニ、アダンソン、トゥルカナ)が(クリイロ + チャピニ)と(アダンソン + トゥルカナ)の2群に分かれます。ただしチャピニはクリイロの変異の中におさまっているので、フルスピーシーズとするのは疑問だと書かれています。またrhodesianus小グループ(ヘンゲ、セウネ、キバラ)が(ヘンゲ + セウネ)とキバラの2群に分かれます。

という具合になかなか複雑な系統関係ですが、全体としてはなんとなく納得できるような気がします。Pelusios属全体では、アダンソンとトゥルカナの2種が最も近縁で、マランとそれ以外全てが最も遠いといった具合で、思った以上にいろいろな段階で分岐しています。かなり分岐の古いものもあるので、今後さらに属分割されたりすることもあるのかもしれません。

この論文の最大の問題点はビクトリアハコヨコ(P. williamsi)が含まれていないこと。一応系統樹には含まれていますが、クリイロの枝の中に紛れ込んでしまっていて、おそらくクリイロの同定間違いの標本からの塩基配列と思われます。もしも今後正しいビクトリアの配列が解析されたら、casteneus中グループのどこかに付くのではないかというのが、ぼくのあてずっぽな予想です。

 Pelusios属の系統関係もさることながら、Pelomedusa属の分岐の深さ(つまり枝の長さ)にも注目です。Pelomedusa属は、亜種はさておき、subrufa一種のみしか知られていません。しかしその中でのバリエーションはとても大きく、ヘンゲとセウネの種間差や、ウスグロ/オカバンゴ/ウペンバの3種間の差よりも大きいのです。ちなみに同じ著者たちが昨年出したPelomudusaの種内変異の論文でも指摘していましたが、これまで言われているような亜種分けはDNA解析からはまったく支持されず、そのかわりPelomudusaの各地域集団は、南アフリカやボツワナ、マワウイなどの南部集団(図中のIXとVIII)、紅海沿岸部の東北集団(図中のVIとVII)そして、コートジボアールからケニアに至る北部集団(図中のI〜V)の3つに大きく分けかれるようです。この3群間の違いはとても大きいので、今後種/亜種として分割されることになっていくと思われます。つまりPelomedusa属はモノタイプではなくなるということですね!

 おまけはビルの家で見せてもらった、ウペンバハコヨコクビ(Pelusios upembae)。
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Pelusios upembae from Bill McCord's collection.
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Thanks Bill!
日本未上陸の本物(笑)です。
腹甲が黒いところも全体的なプロポーションも、分子系統で最も近縁と示されたオカバンゴと確かによく似ています。

Show of the day:
Frank Zappa
10/29/76
The Spectrum,
Philadelphia, PA
by acanthochelys | 2011-03-01 18:26 | ヨコクビガメ類 | Trackback | Comments(6)